5Gルーターは、高速・大容量通信や低遅延といった特長を活かし、オフィスや現場、屋外環境などさまざまな場所で柔軟な通信環境を構築できる通信機器です。近年では、クラウド活用や映像データの利用、IoT機器の普及により、通信品質が業務効率や安全性に直結する場面も増えてきました。
その一方で、「4Gルーターで十分か、それとも5Gルーターを選ぶべきか」と判断に迷われる方も多いのではないでしょうか。利用用途や環境によっては、4Gルーターが適しているケースもあれば、5Gルーターの特性を活かすことで大きな効果を得られるケースもあります。
本記事では、5Gルーターの強みや注意点、4Gルーターとの使い分けの考え方、具体的な活用シーンまでを整理し、どのような用途に5Gルーターが適しているのかをわかりやすく解説します。自社やご自身の利用シーンに合った通信環境を検討するための参考として、ぜひご覧ください。
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5Gルーターの大きな特長は、従来の4Gルーターと比べて通信速度が速く、快適な通信を実現できます。データの送受信を高速に行えるため、Webページの表示や動画視聴はもちろん、オンライン会議やクラウドサービスの利用においても快適な通信環境を実現できます。特に、複数のアプリケーションを同時に利用する場面や、通信負荷がかかりやすい時間帯でも、速度低下を感じにくいというメリットがあります。
5Gルーターは大容量データの通信に適しており、設計データや高画質動画、バックアップデータなどの送受信が必要なシーンでも力を発揮します。クラウドストレージへのアップロードやダウンロードを短時間で行えるため、作業待ちによるストレスを軽減できます。 また、複数拠点間でのデータ共有やクラウド上のシステムを利用した業務においても通信の遅延が少なく、スムーズな業務進行が可能になります。大容量データを日常的に扱う業務では5Gルーターの導入によって作業効率の向上が期待できます。
5Gルーターは複数の端末を同時に接続した場合でも通信が安定しやすい特長があります。PCやタブレット、スマートフォンなどを複数台接続するオフィス環境や、現場事務所、イベント会場といった利用シーンでも、安定した通信環境を構築しやすくなります。 同時接続時でも通信品質を維持しやすいため、複数人が同時にオンライン会議へ参加したり、クラウドサービスを利用したりする場合にも安定した通信環境を維持しやすくなります。業務用の通信環境としても適した特性を備えています。
5Gルーターは高解像度カメラなどの通信量の多い機器との相性に優れた通信方式です。4K・8Kといった高精細映像はデータ容量が大きく、従来の通信環境では画質の低下や送信遅延が課題となることがありました。 5Gルーターを利用することで、高精細な映像データを安定して送信できるため、映像の細部まで確認しやすくなります。これにより、現場状況の正確な把握や品質確認、記録用途など映像品質が求められるシーンでも活用しやすくなります。
5Gルーターの特長の一つに、通信の遅延が少ない「低遅延」があります。低遅延通信により、データを送信してから受信・表示・処理されるまでの時間を短縮できるため、リアルタイム性が求められる用途において高い効果を発揮します。
例えば、映像データやIoT機器から取得した情報を扱う場合、通信の遅延が大きいと実際の状況と表示される情報にズレが生じ、業務判断の遅れにつながることがあります。5G通信を利用することで、このタイムラグを抑え、現場の状況をほぼリアルタイムで把握することが可能になります。
リアルタイム性が求められる映像活用やIoTデータの運用において、5Gルーターの低遅延特性は大きなメリットと言えるでしょう。
5Gの通信エリアは年々拡大していますが、利用場所によっては4G通信に切り替わる場合があります。導入前には、利用予定エリアが5G通信に対応しているかを確認しておくことが重要です。
高速通信が可能な分、動画視聴やクラウド利用が増え、通信量が想定以上に増加することがあります。SIMフリーの5Gルーターを利用する場合は、SIMプランの容量や制限条件を事前に確認しましょう。
5Gルーターは、4Gルーターと比べて端末価格や通信費が高くなる傾向があります。導入効果とコストのバランスを踏まえた検討が必要です。
通信速度の速さよりも、安定性やコストバランスを重視したい場合には、4Gルーターが適しているケースがあります。4G通信はすでに全国的に整備されており、安定性の高い通信環境が確立されているため、利用用途によっては十分な性能を発揮します。
●Web閲覧やメール送受信が中心の利用
●資料閲覧や社内システムへのアクセスなど、通信量が比較的少ない業務
●フルHD程度の動画視聴や、一般的なオンライン会議
●利用頻度が限定的で、常時高速通信を必要としないケース
このように、利用シーンや業務内容を踏まえたうえで、必要以上に通信速度を求めない場合には、安定性とコストのバランスに優れた4Gルーターを選択することが有効です。
一方で、高速・大容量通信・低遅延といった特性を業務で活かしたい場合には、5Gルーターが適しています。通信品質が業務効率や安全性に直結する用途では、5G通信の特長が効果を発揮しやすくなります。
●オンライン会議やクラウド業務、ファイル共有など、日常的なビジネス通信においても通信品質を重視したい
●4K・8Kなどの高精細映像データをリアルタイムで扱う 複数台のカメラや端末を同時接続して運用する
●映像解析やAI処理など、大容量データを継続的に送信する
●通信の遅延が業務品質や安全性に影響する
このような条件に当てはまる場合、高速・大容量・低遅延という5G通信の特長が業務効率や品質の向上に直結します。4Gルーターでは通信が不安定になりやすいケースでも、5Gルーターを利用することで、より安定した運用が可能になる場面があります。
5Gルーターを導入する際は、どの端末を接続し、どのような用途で利用するのかを事前に整理しておくことが重要です。5G通信は高い通信品質を実現できますが、すべての利用シーンで高速通信が必要になるわけではありません。そのため、高速・大容量通信が求められる業務や用途があるかを明確にすることで、5Gルーター導入の効果を判断しやすくなります。
また、接続する端末の台数や種類を把握しておくことで、同時接続時の利用状況や通信負荷をあらかじめ想定しやすくなり、より適切な通信環境の構築につながります。
5G通信の性能を十分に活かすためには、使用する場所が5Gの通信エリアに対応していることが前提となります。そのうえで、利用予定エリアがどの通信キャリアや周波数帯に対応しているかを確認することも重要です。
SIMフリーの5Gルーターであってもすべての周波数帯に対応しているわけではないため、対応キャリアやバンドには注意が必要です。5Gの通信エリアについては、各通信キャリアが公開しているサービスエリアマップから確認できます。
SIMフリーの5GルーターであってもすべてのSIMが利用できるわけではありません。通信方式や周波数の違いにより正常に動作しないケースもあります。 そのため、導入前にはメーカーが公開している動作確認済みSIMの情報を確認し、利用予定のSIMプランが対応しているかをチェックしておくと安心です。法人利用では通信の安定性が業務に直結するため、互換性の確認は特に重要なポイントとなります。
ルーターのメーカーや通信機器に詳しい企業に相談することで、業務内容や利用環境に応じた通信構成を検討してもらうことができます。事前に相談することで、導入後のミスマッチや運用トラブルを防ぎやすくなります。メーカーによっては検証機などで環境・用途にマッチするか確認ができるので、利用してみることをおすすめします。
5Gルーターは、高速かつ大容量の通信を安定して行える点が特長です。この特性を活かすことで、従来の4G環境では難しかった用途やより効率的な運用が可能になります。ここでは、代表的な活用方法と業界ごとの具体例をご紹介します。
5Gルーターは、大容量データを短時間で送受信できるため、通信待ちによる作業の中断を減らすことができます。例えば、クラウドストレージへの大容量ファイルのアップロードや、複数拠点間でのデータ共有などもスムーズに行えます。 オンライン会議やWebセミナーなどにおいても、高画質な映像や音声を安定して配信できるため、リモートワークやハイブリッドワークの環境整備にも適しています。
また、5G通信モバイルルーターを利用すれば、オフィスだけでなく外出先でも安定した通信品質を確保しやすくなります。
建設業において5Gルーターが活用されている代表的な例が、複数台の高精細カメラ映像を同時にリアルタイム共有する遠隔施工管理です。 4K・8Kといった高解像度カメラを現場に複数設置し、その映像を遅延なく本社や遠隔地へ送信するには大容量かつ低遅延な通信が求められます。 5Gルーターを利用することで映像品質を維持したまま共有しやすくなるため、細部の施工状況や安全装備の着用状況まで正確に確認することが可能になります。これにより、現場責任者が常駐せずとも、遠隔から指示や判断を行える体制を構築できます。
複数現場を同時に管理するケースでも、映像品質を落とさずに運用できる点は5Gルーターならではの強みと言えます。
製造業では、設備監視にとどまらず、リアルタイム性を重視した制御や分析に5Gルーターが活用されています。多数のセンサーやカメラから発生する大容量データを遅延を抑えてクラウドやエッジサーバーへ送信することで、AIによる即時解析や制御判断が可能になります。
例えば、画像解析による外観検査や、設備の挙動を基にした異常検知などは、データ量が多く通信遅延の影響を受けやすい領域です。5G通信の低遅延・高信頼通信を利用することで、検知から対応までの時間を短縮し、不良品の削減や生産停止リスクの低減につなげることができます。 このように、「見える化」だけでなく「即時判断・制御」を行う用途では、5Gルーターの特性が大きく活かされます。
物流業では、車両の位置情報に加えて、車載カメラ映像をリアルタイムで共有する高度な運用管理が可能になります。車両1台ごとにルーターを搭載していても、同じエリア・同じ時間帯に複数の車両が同時に映像データを送信する「同時通信」が発生します。4G通信ではこのような状況で基地局側の帯域が不足しやすく、通信の遅延や映像の途切れが起きることがあります。
一方、5G通信は同時通信を前提に設計されているため、複数車両からの映像送信が重なっても安定した通信を確保しやすくなります。これにより、事故やトラブル発生時の状況を管理センターから即座に把握できるほか、走行中の映像をもとに危険運転の兆候をリアルタイムで検知し、注意喚起を行うといった運用も可能になります。
ローカル5Gとは、企業や自治体が特定のエリア内で独自に構築・運用できる5G通信網のことです。工場や倉庫、敷地内施設など限られた範囲で利用することを前提としたプライベートな通信環境を構築でき、高速・大容量・低遅延といった5G通信の性能を外部ネットワークに依存せず安定して利用できる点が特長です。通信が敷地内で完結するため、セキュリティ面でも安心して運用しやすく、業務データや映像データを扱う用途に適しています。
ローカル5Gに対応したルーターを導入することで、スマートフォンやタブレット、カメラなどの端末に個別のSIMを挿入することなく通信環境を構築できます。ローカル5G網に接続したルーターがアクセスポイントとして機能するため、Wi-Fi対応端末であれば既存設定のまま接続可能となり、端末ごとの設定作業やSIM管理、通信契約の負荷を削減できます。
コストを抑えながらローカル5G環境を構築したい場合には、ローカル5Gに対応したルーターの導入を検討してみるのも一つの方法です。既存のWi‑Fi対応端末を活用しながら、プライベートな5G通信環境を実現しやすくなります。
SIMフリーの5Gルーターは、高速・大容量通信や低遅延といった特長を活かし、業務の効率化や通信品質の向上に貢献できる通信機器です。一方で、すべての利用シーンで5G通信が必要になるわけではないため、4Gルーターで十分なケースと5Gルーターが効果を発揮する用途を整理したうえで選択することが重要です。 高品質な通信環境を求める方は、SIMフリーの5Gルーターの導入をぜひ検討してみてください。
富士ソフトでは、5G通信に対応したSIMフリーの高機能なモバイルルーターを提供しています。国内4キャリアに対応しているため、利用環境や用途に応じて回線を選択でき、柔軟な通信構成が可能です。
バッテリーを取り外し、USB給電で運用することで、24時間の据え置き稼働にも対応しており、モバイル用途だけでなく、オフィスや現場事務所、IoT機器の通信などの固定利用にも活用できます。 また、ローカル5Gにも対応しており、プライベートな5G通信環境の構築にも活用できます。
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富士ソフトでは、ルーターの提供に加えて用途に応じたモバイル回線もあわせて提供可能です。docomo・KDDI・SoftBank・楽天など複数キャリアのSIMを取り揃えており、大容量・高速通信から小容量・低コスト、従量課金型や海外利用まで、利用シーンに応じた柔軟な選択ができます。
回線選びに迷う場合でも、利用環境や用途をヒアリングしたうえで最適な通信プランをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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執筆者
伊藤 優佑(富士ソフト株式会社)
富士ソフト株式会社にて、SIMフリーの通信端末「+Fシリーズ」のプロモーションを担当。法人・個人向けの通信環境に関する情報発信を行っています。SIMフリー端末の選定ポイントや活用方法、導入メリットなど、現場の視点を活かした情報をお届けします。 専門領域(通信機器/IoT/法人導入支援など)